H25年1月24日.25日 第40回 大分県保育事業研究大会
第一分科会
親子の絆を育てる家庭支援のあり方
~愛着形成の今日的課題~
助言者:大分県こども子育て支援課参事 山口 正行
河内保育園長 北畠 法文
司会:泉光保育園 園長 野本 宣寿
幹事:川崎保育園長 佐藤 忠三
意見発表者:
しらとり保育園 園長 糸永 崇幸
朝日保育園 園長 鋤柄 洋嘉
(分科会報告)
第一分科会は二つのテーマで、二名の発表者が意見発表を行い、午後からの討議の中で、意見・質問が続出、其々の保育園での悩みや進め方について、又、欠損家庭への配慮の方法や、経験豊かな園長先生のお話等、様々な意見が出て活発な研修会となりました。
日頃から多くの保育園が取り組んでいる内容であると思われますが、深く深耕していくには、どのように進めるべきかなど、悩みや疑問点、課題が抽出されたようです。
そのような中で愛着形成支援については、「タッチケア」が障がい児や3歳以上の子ども達にもその効果見られるとされることには、特に興味が示されました。又、資料の中に親と子の愛着度等が数値やデータで示されており、欠損家庭における愛着度に対する影響が認められないのは意外であったように思います。
地域や関連機関との連携について「子ども子育て支援ネットワーク図」で示され、小学校・民生児童委員・町内会・保健師等との連携により、保育所は専門機関とのネットワークを形成し連携を深めることが大切、又、子育て文化の発信拠点として、社会全体で育てる環境づくりを進め、奥の深い大変な役割を有しているといえる等、第一分科会は活発な意見や体験談等が報告され、意義ある研修会となりました。
第二分科会
公立保育所の使命と地域社会での役割
助言者:別府大学短期大学部教授 相浦 雅子
久部保育所 所長 大石 定廣
幹事:鶴見保育所 所長 髙崎 香代美
司会:緒方保育園 園長 麻生 綾子
意見発表者:
オレンジ保育所 所長 猪野 寿直
内竈保育所 所長 岩瀬 龍子
(分科会報告)
第2分科会は、それぞれの地域性に沿ったサブテーマをあげ研究に取り組んだ。オレンジ保育所、大恩こども館は、国東の豊かな自然や伝統を取り入れることで、地域とのほのぼのとした交流が出来ていた。
また、少人数の利点をいかし、保護者と職員の連携が子ども達のいきいきとした活動に反映されていた。
別府市の公立3保育所の合同研究は、多彩な交流や積極的な行事(まつり)参加により存在感や価値観といった意味では、広く地域に受け入れられそれぞれの施設が独自性と協調性を持って保育所としての意義と役割を印象付けていた。
保育体験については、保護者の育児に対する不安解消や養育力の向上や信頼関係が図られていた。今後、公立として地域に在る意味を考察し、保育内容に反映し、地域に寄り添った保育所を目指すことは、職員の資質向上が必須と考えられる。これらの事業も関係者に負担がかからないように配慮する必要もある。
第三分科会
保育者の資質向上をめざして
~エピソード記述による保育の省察と同僚性を高める研修について~
助言者:西南学院大学大学院教授 門田 理世
ゆりかご保育園 園長 首藤 尚樹
幹事:ひまわり保育園 副園長 橋本 信一郎
司会:中央保育園 園長 木元 洋一郎
意見発表者:
高瀬保育園 主任保育士 稲田 ひとみ
春木保育園 主任保育士 酒井 恵利子
(分科会報告)
当分科会は、各グループ内で討議や意見交換が活発に行われ、さすがに参加者に主任保育士の多い分科会との印象であった。
公立園である高瀬保育園は「エピソード記述」について二年にわたるご縁の共同研究の成果を発表した。
子どもへの既成概念や先入観を一度見直すことによって、子どもの心・想いを柔軟に捉え直すことが試みられていた。また、一つのエピソードを通じて色々な見方や分析ができるということを通じ、保育者間の「同僚性」も高まったという発表もあった。
私立園である春木保育園の発表「地域との交流」については、地域社会(社会を多重的に支える人達)・祖父母(肉親・血縁)・年長者(子ども社会)が子ども達の周りから希薄化している今日、多様性(違う価値観)・世代間(次世代への子育ての伝承)などとの交流が、ますます重要になるという助言があった。
第四分科会
配慮を必要とする子どもの保育の充実
助言者:筑紫女学園大学教授 牧野 桂一
すがお保育園 園長 土谷 修
幹事:大神保育園 園長 原田 順二
司会:海添保育園 園長 佐藤 良純
意見発表者:
上津保育園 主任保育士 緒方 美保
四恩保育園 保育士 衛藤 小百合
城台保育園 保育士 川口 博美
(分科会報告)
地域での課題を、アンケート、事例研究等により気になる子ども達、保護者への対応が検討された。
事例からは知識と経験のみならず、愛情を持って寄り添うことなどが提案された。保育園での具体的な対応が保育7箇条として示された。感覚を育てるコミュニケーションなどである。今後の保育に活用したい。
また、発達チェックリストの活用など科学的保育を行う必要がある。保育7箇条に加え、わかりやすい言葉を使う、子ども達に関わる、保育士の思いを伝えるなどの助言があった。さらに保育カンファレンス、関係機関との連携、情報の共有化、専門的知識の向上などが必要とされた。
まとめとして、園単独では対応に限界があり、子ども達、保護者、就学前など行政の支援が必要である。信頼関係を構築し、保育所だけでは充分な支援はできない。関係機関の連携が必要。みんなの力で幸せにするため保育者自身が自信を持ち、ゆっくり、あせらず、確実に!
第五分科会
保育所保育指針に基づく質の高い保育を提供する
助言者:西南女学院大学教授 原 孝成
大田保育園 園長 田邉 タカ
幹事:敷戸南保育所 所長 大久保 真由美
司会:第三保育所 所長 林田 孝子
意見発表者:
津民保育所 保育士 小路 由美子
みなと保育園 保育士 岡 里美
百枝保育園 保育士 奥下 美保
(分科会報告)
津民保育所は、エピソード記録の活用することで、全職員の共通理解ができ、課題を実践することにより、子どもの姿の変容と保育のふりかえりをしていくことが、保育の質の向上とつながるようになった。
みなと保育園が、避難訓練に力を入れるきっかけは、津波警報がでたことにより、避難場所・方法の見直しをした避難訓練で子ども達が変わったことは、合図ですばやく集まれるようになった。
また、発達チェックリストの活用など科学的保育を行う必要がある。保育7箇条に加え、わかりやすい言葉を使う、子ども達に関わる、保育士の思いを伝えるなどの助言があった。さらに保育カンファレンス、関係機関との連携、情報の共有化、専門的知識の向上などが必要とされた。
百枝保育園は、保護者のニーズの中から保育に入れられるものは取り入れていき、日々の保育の中でかえしをしている。
三つの発表を通して、保育の質の向上にはプロセスが大切である。ねらいを職員間で共有して、それを実践し、ふりかえりが大切。
第六分科会
家庭との連携による食育の推進
助言者:宮崎学園短期大学講師 坂元 マモル
別府隣保館保育園 園長 首藤 淳子
幹事:わかたけ保育園 園長 坊迫 繁美
司会:友愛保育園 園長 石田 安貴子